KUROTO– Author –
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【ピーチライン編第1章第15話】準備
昼食を終え、にゃももは再び生徒会室へと足を向けた。TITAN学園は自由授業が基本だが、生徒会長としての仕事があるため、にゃももの午後は生徒会活動で埋まることになった。 本格的な「普通の授業」を受けるのは、どうやら明日以降になりそうだ。 学園に入... -
【ピーチライン編第1章第14話】良くない噂話
にゃももたちは料理部が運営する中華店へと足を踏み入れた。店内は活気に満ちており、食欲をそそる香りが漂っている。席に着くと、店員が笑顔で声をかけてきた。 「ご注文がお決まりでしたら、この学園タブレットで押してください!なお、当店は注文するご... -
【ピーチライン編第1章第13話】開放の昼休憩
にゃももが、自分を取り囲む生徒たちの視線に戸惑っていた、その時だった。人混みをかき分けるようにして、一人の紫髪の女性が現れた。彼女は、にゃももの前に立ち、周囲の生徒たちを一瞥した。 「ほれ!彼女に憧れる気持ちはわかるけど、そもそも今昼休み... -
【ピーチライン編第1章第12話】再び現る
生徒会室での怒涛のオリエンテーションを終え、にゃももは昼食を取るためにレストラン街へと向かった。ワープ機能を使えば一瞬で移動できるものの、にゃももは敢えて徒歩を選んだ。 この広大な学園に少しでも慣れておきたい、という思いがあったからだ。ブ... -
【ピーチライン編第1章第11話】正式に生徒会長として…
翌日。TITAN学園でのにゃももの2日目が始まった。 目覚めると同時に、にゃももは学園に向かうため着替えを始めた。無意識のうちに手に取ったのは、昨日も着ていたあのピンク色のジャージだった。特別な理由があるわけではないが、なぜかそのジャージは肌触... -
【ピーチライン編第1章第10話】その頃のすいれんたちは
にゃももがワープ機能で自宅へと帰っていった頃、TITAN学園の校長室では、くろと、タイタン、そしてすいれんの3人が残っていた。 「無事に帰りましたわね…」 くろとは、にゃももが消えた空間を見つめながら、ほっとしたように呟いた。彼女の表情には、一日... -
【ピーチライン編第1章第9話】1日目の振り返り
温かい湯気が立ち込めるバスルームに、にゃももの小さな独り言が響く。TITAN学園での初めての一日が終わり、ようやく自分の時間を取り戻したにゃももは、ゆったりと湯船に浸かりながら、今日あった出来事を一つ一つ思い返していた。 湯の温かさが、張り詰... -
【ピーチライン編第1章第8話】ヒロイン気取り!
すいれんに導かれ、TITAN学園の校内をさらに奥へと進んでいたにゃもも。学園の広大さと多様な施設に驚きつつも、どこか自分でもこの環境に慣れてきているような不思議な感覚があった。その時、ふと、前方に人だかりが見えた。何やら騒がしい声が聞こえてく... -
【ピーチライン編第1章第7話】すいれんとおやつタイム!
波乱の入学式、そして奇妙なオリエンテーションが終わり、にゃももはすいれんに導かれながら校舎の廊下を歩いていた。頭の中は、生徒会長任命という衝撃的な事実と、この学園のあまりにも「非常識」なルールでいっぱいだった。 その時、にゃもものタブレッ... -
【ピーチライン編第1章第6話】学校全部が非常識
「じゃあ、にゃももお姉ちゃん、どこから見て回るー?」 校長室を出てすぐ、すいれんは元気いっぱいに尋ねてきた。タイタン校長の命令で道案内役を押し付けられたにも関わらず、どこか楽しそうだ。にゃももは、まだ生徒会長任命の衝撃から立ち直れていなか... -
【ピーチライン編第1章第5話】いきなりまさかの生徒〇〇!?
「これでオリエンテーションは終わりです。何か質問はございますか、にゃもも様?」 くろとの丁寧な問いかけに、にゃももは頭の中を整理しようと必死だった。あまりにも情報が多すぎて、どこから質問していいのかさえ分からなかった。しかし、一つだけ、ど... -
【ピーチライン編第1章第4話】入学式のイメージはどこへ行った!?
ブラウニーに導かれるまま、にゃももは「生徒会室」と書かれた扉の前に立っていた。普通の学校なら厳粛な雰囲気の漂う入学式が、まさかこんな場所で行われるとは夢にも思わなかった。心臓がドクドクと音を立てる。扉の向こうにどんな「常識外れ」が待って... -
【ピーチライン編第1章第3話】教室がない学校
校門でのドタバタ劇を終え、にゃももは茫然自失といった状態で学園へと足を踏み入れた。すいれんちゃんが去っていった方向をぼんやりと見つめ、彼女が言っていた「複雑な関係性」という言葉が頭の中をぐるぐると巡る。 しかし、それも束の間、にゃももはす... -
【スカイブルーライン編第1章第4話】無駄遣いは衰退を招く
「ふううう…くろとは相変わらずがみがみしすぎて疲れる…」 スライム事件の罰として、くろとにこってり絞られた私は、すっかりしぼんだ顔をしていた。お尻ぺんぺんだけじゃなく、しばらく大好物のお菓子禁止令まで出されてしまったのだ。 まるで、リアルな... -
【ピーチライン編第1章第2話】ぶつかる出会い
校門にたどり着いた私は、荒い息を整えようと立ち止まった。朝の新鮮な空気が肺を満たすたびに、昨日までの記憶の靄が少しずつ晴れていくような錯覚を覚える。しかし、それは錯覚に過ぎず、私の頭の中は依然として真っ白なままだった。 その時、目の前で鮮... -
【第0章第29話】ウィルス関門
2020年2月。その報せは、まるで静止していた空気の中に石を投げ込んだかのように、俺の日常に波紋を広げた。 ある某国から、正体不明の、しかし恐るべきウイルスが流出したというのだ。 当初は遠い国の出来事だと高を括っていたが、その感染力は想像を絶し... -
【スカイブルーライン編第1章第3話】スライムで遊んでみた
今日の3時間目は、理科の授業。普段はあまり興味のない教科だけど、今日のテーマは「スライム」だという。 ゲームに出てくるあのプニプニしたモンスターの元を作る、なんて聞いたら、参加しないわけにはいかないだろう! だって、ゲームに出てくるスライム... -
【スカイブルーライン編第1章第2話】学園は自由登校
「スイレン様、また学校ジャージですか」 くろとの声が、私の耳に心地よく響く。朝食を終え、これから学校へ向かう準備をしていた私は、いつものお気に入りのジャージに身を包んでいた。 鮮やかな水色を基調に、胸元から裾にかけて白いラインが走る、動き... -
【ピーチライン編第1章第1話】ピンクの奇跡
今回から第0章だけじゃなく第1章を始めました。 第1章以降はにゃももが主役な「ピーチライン編」とすいれんが主役な「スカイブルーライン編」の2つに別れた本編ストーリーになっています。 構図としてはかなり複雑なので後で解説しますが、2つとも重要なの... -
【スカイブルーライン編第1章第1話】すいれん始動!
「へんーしん!きらきら輝くお星様、空広い水色、なんでも夢を叶える!」 ふかふかのベッドの上で、私はごろんと寝返りを打った。いつもなら、このセリフの後に誰かに名前を呼ばれて、飛び起きるはずなのに。 「すいれん!」 うん、やっぱり。いつもの声が...