KUROTO– Author –
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【ピーチライン編第1章第12話】再び現る
生徒会室での怒涛のオリエンテーションを終え、にゃももは昼食を取るためにレストラン街へと向かった。ワープ機能を使えば一瞬で移動できるものの、にゃももは敢えて徒歩を選んだ。 この広大な学園に少しでも慣れておきたい、という思いがあったからだ。ブ... -
【ピーチライン編第1章第11話】正式に生徒会長として…
翌日。TITAN学園でのにゃももの2日目が始まった。 目覚めると同時に、にゃももは学園に向かうため着替えを始めた。無意識のうちに手に取ったのは、昨日も着ていたあのピンク色のジャージだった。特別な理由があるわけではないが、なぜかそのジャージは肌触... -
【ピーチライン編第1章第10話】その頃のすいれんたちは
にゃももがワープ機能で自宅へと帰っていった頃、TITAN学園の校長室では、くろと、タイタン、そしてすいれんの3人が残っていた。 「無事に帰りましたわね…」 くろとは、にゃももが消えた空間を見つめながら、ほっとしたように呟いた。彼女の表情には、一日... -
【ピーチライン編第1章第9話】1日目の振り返り
温かい湯気が立ち込めるバスルームに、にゃももの小さな独り言が響く。TITAN学園での初めての一日が終わり、ようやく自分の時間を取り戻したにゃももは、ゆったりと湯船に浸かりながら、今日あった出来事を一つ一つ思い返していた。 湯の温かさが、張り詰... -
【ピーチライン編第1章第8話】ヒロイン気取り!
すいれんに導かれ、TITAN学園の校内をさらに奥へと進んでいたにゃもも。学園の広大さと多様な施設に驚きつつも、どこか自分でもこの環境に慣れてきているような不思議な感覚があった。その時、ふと、前方に人だかりが見えた。何やら騒がしい声が聞こえてく... -
【ピーチライン編第1章第7話】すいれんとおやつタイム!
波乱の入学式、そして奇妙なオリエンテーションが終わり、にゃももはすいれんに導かれながら校舎の廊下を歩いていた。頭の中は、生徒会長任命という衝撃的な事実と、この学園のあまりにも「非常識」なルールでいっぱいだった。 その時、にゃもものタブレッ... -
【ピーチライン編第1章第6話】学校全部が非常識
「じゃあ、にゃももお姉ちゃん、どこから見て回るー?」 校長室を出てすぐ、すいれんは元気いっぱいに尋ねてきた。タイタン校長の命令で道案内役を押し付けられたにも関わらず、どこか楽しそうだ。にゃももは、まだ生徒会長任命の衝撃から立ち直れていなか... -
【ピーチライン編第1章第5話】いきなりまさかの生徒〇〇!?
「これでオリエンテーションは終わりです。何か質問はございますか、にゃもも様?」 くろとの丁寧な問いかけに、にゃももは頭の中を整理しようと必死だった。あまりにも情報が多すぎて、どこから質問していいのかさえ分からなかった。しかし、一つだけ、ど... -
【ピーチライン編第1章第4話】入学式のイメージはどこへ行った!?
ブラウニーに導かれるまま、にゃももは「生徒会室」と書かれた扉の前に立っていた。普通の学校なら厳粛な雰囲気の漂う入学式が、まさかこんな場所で行われるとは夢にも思わなかった。心臓がドクドクと音を立てる。扉の向こうにどんな「常識外れ」が待って... -
【ピーチライン編第1章第3話】教室がない学校
校門でのドタバタ劇を終え、にゃももは茫然自失といった状態で学園へと足を踏み入れた。すいれんちゃんが去っていった方向をぼんやりと見つめ、彼女が言っていた「複雑な関係性」という言葉が頭の中をぐるぐると巡る。 しかし、それも束の間、にゃももはす... -
【スカイブルーライン編第1章第4話】無駄遣いは衰退を招く
「ふううう…くろとは相変わらずがみがみしすぎて疲れる…」 スライム事件の罰として、くろとにこってり絞られた私は、すっかりしぼんだ顔をしていた。お尻ぺんぺんだけじゃなく、しばらく大好物のお菓子禁止令まで出されてしまったのだ。 まるで、リアルな... -
【ピーチライン編第1章第2話】ぶつかる出会い
校門にたどり着いた私は、荒い息を整えようと立ち止まった。朝の新鮮な空気が肺を満たすたびに、昨日までの記憶の靄が少しずつ晴れていくような錯覚を覚える。しかし、それは錯覚に過ぎず、私の頭の中は依然として真っ白なままだった。 その時、目の前で鮮... -
【第0章第29話】ウィルス関門
2020年2月。その報せは、まるで静止していた空気の中に石を投げ込んだかのように、俺の日常に波紋を広げた。 ある某国から、正体不明の、しかし恐るべきウイルスが流出したというのだ。 当初は遠い国の出来事だと高を括っていたが、その感染力は想像を絶し... -
【スカイブルーライン編第1章第3話】スライムで遊んでみた
今日の3時間目は、理科の授業。普段はあまり興味のない教科だけど、今日のテーマは「スライム」だという。 ゲームに出てくるあのプニプニしたモンスターの元を作る、なんて聞いたら、参加しないわけにはいかないだろう! だって、ゲームに出てくるスライム... -
【スカイブルーライン編第1章第2話】学園は自由登校
「スイレン様、また学校ジャージですか」 くろとの声が、私の耳に心地よく響く。朝食を終え、これから学校へ向かう準備をしていた私は、いつものお気に入りのジャージに身を包んでいた。 鮮やかな水色を基調に、胸元から裾にかけて白いラインが走る、動き... -
【ピーチライン編第1章第1話】ピンクの奇跡
今回から第0章だけじゃなく第1章を始めました。 第1章以降はにゃももが主役な「ピーチライン編」とすいれんが主役な「スカイブルーライン編」の2つに別れた本編ストーリーになっています。 構図としてはかなり複雑なので後で解説しますが、2つとも重要なの... -
【スカイブルーライン編第1章第1話】すいれん始動!
「へんーしん!きらきら輝くお星様、空広い水色、なんでも夢を叶える!」 ふかふかのベッドの上で、私はごろんと寝返りを打った。いつもなら、このセリフの後に誰かに名前を呼ばれて、飛び起きるはずなのに。 「すいれん!」 うん、やっぱり。いつもの声が... -
【第0章第28話】ブログとの出会い――新たな創作の模索と、挫折の始まり
そんな中、2019年の夏、俺はふと、ウェブサイトというものに興味を抱き始めたのだ。Youtubeでの動画配信は、視覚と聴覚に訴えかける強力なツールだ。 しかし、情報量を考えると、文章で深く掘り下げて発信するウェブサイトにも、また違った可能性があると... -
【第0章第27話】副業解禁――夢への小さな光と、社会への不信
「会社を辞めたい」という感情が芽生え始めた2年目の夏。猛暑と、終わりの見えない日々の仕事に心身を蝕まれながらも、俺は希望を捨てていなかった。 そんな俺の心に、一筋の光が差し込む出来事があった。 夏休みに入る少し前、政府が「働き方改革」を実施... -
【第0章第26話】仕事が苦痛になり始めた日――「懲役」の重みが現実となる夏
高性能なPCを手に入れ、Youtuberへの夢に胸を膨らませていた俺だが、社会人としての現実は、そんな俺の熱意を冷やしていくかのようだった。 入社して1年目は、新しい環境や業務を覚えることに必死で、目の前のことをこなすのに精一杯だった。 しかし、それ...